日本人がほとんど知らない労働搾取と言う現実

日本人がほとんど知らない労働搾取と言う現実

 

 

日本は20年以上デフレ状態が続いています。
特に衣料品はここ20年間で販売価格が下落しています。

 

 

1990年代に1万円だった衣料品は2019年には6,000円代と6掛け程に低下していると言われています。

 

それだけではなく、上代価格からの掛け率も厳しくなりより製造側に負荷がかかる構造へと移り変わっていきました。

 

私が駐在していたベトナムやバングラデッシュでは、その日本市場の構造変化に対応する為、多くの生産が中国より移管されてきました。

バングラデシュ 首都ダッカの街並み

 

日本の市場価格に合わせる為には
労働力の安い国での生産
関税が安い、もしくはフリー

 

2つのメリットを兼ね備えた東南アジア、バングラデッシュへの移管をする必要がありました。

 

上記は一般的に言われている構造変化ですが、
これに付け加え繊維業界内部にいた立場での変化を3点取り上げてみました。

 

・何より先に販売価格が決まる。
・生産構造の理解の低下
・愛情の欠如

 

1998年 
バブル崩壊後のロスジェネ世代として入社し、以後20年間激しく変動した業界を内部からの視点で…

 

何より先に決まる販売価格

 

 

1990年代はバブル期
その頃は何をどんな価格で販売していても売れる時代でした。
むしろ高いものの方が売れる時代
そして時代が変わり1997年以降は全く真逆の低価格志向に…

2000年前半の頃までは商品の企画が先行し、より良い素材でより良いモノを販売する傾向にありましたが、いつしかまずは販売価格が決め、その中で収まるモノづくりをすると言う考えに移り変わりました。

それでもおさまらないモノは製造側で利益負担を吸収してきましたが、年を重ねるごとに販売価格が下落し、それでも全体の60%売れればよく売れた商品だと言う評価をされるのが実態です。

 

そうなれば50%のプロパー(当初販売価格)消化率でも利益が残せる掛け率設定を要求され、より製造側の負荷が掛ります。

 

低価格により拍車がかかり、安くなければ売れない。と言う強い思い込みが刷りこまれたのがこの20年間の最大の落ち度だと考えます。

 

本来、
繊維製品も素材は綿などの天然素材やポリエステルなどの合繊繊維(石油) 
天然素材や地下資源なので、価格が変動します。

故にその変動によって販売価格変動がないと言うのはおかしな事です。
野菜などと同様収穫量などに応じて価格変動するのが普通です。

ではその変動する原材料の負担は一体だれが担っているのでしょうか??

もう答えはお分かりですね!!

 

 

生産構造の理解の低下

 

 

2000年前後は
まだ国内での生産も盛んで技術者や専門家の方が多くいました。
*この20年間で国内生産は10分の1に低下

国内生産から韓国や中国への生産移管の際、これらの技術者や専門家の方々の活躍もあり、日本の技術を持って韓国や中国での生産を実行できた為、高品質で付加価値があり、価格メリットのある商品を生み出す事ができました。

 

2010年頃から中国の経済が好調になり、労働賃金の高騰と縫製業への従事者が減少した事で価格と生産量を維持できないと判断した企業が中国から東南アジア、バングラデッシュへの移管を決断しました。

 

しかしこの時代にはより高い知識をもった技術者や専門家は激減し、縫製現場に入り込み生産性を高め、ロス率を軽減し、品質を高めると言う方法論ではなく、空調設備の整ったオフイスの中で冷たい飲み物を飲みながら現場を知らないモノ同士が値下げ交渉を行うと言うモノに変わっていきました。

これらの交渉行為は即効性はあるが実体のない机上の計算式に裏付けされた架空のコスト

この架空のコストにより翻弄される中間業者や現場の労働者たち

 

 

愛情の欠如

 

 

20年前はアパレル企業様と一緒に企画を考え共同体として仕事をしていた感覚がありました。

 

いつからか?
「売れるもの提案して」
「前回の商品売れなかったから返品させて」
「他社で売れてるモノもってきて」

 

共同体から主従へ

 

もはや思考能力はなく、売れているモノを追いかけるだけ、どこの店に行っても同じ様な商品が並び、価格差だけで勝負する。

自分たち自身で考えた商品ではないので、提案した企業に責任を転嫁する。

 

一つの商品を販売するまでにどれだけ多くのアイデアを生み出し、コストと時間を掛けてサンプル作りをしているのか?理解すらしていない。

 

酷い時には「明日までに10案提案して」と夜に電話がくる。
そもそもそう言う依頼がすること自体生みの苦しみを理解していない。
いくら提案しようがサンプルを作成しようがその費用は負担しない。
あくまで受注を受けた商品の利益だけでこれらの費用を吸収する構造

 

このような方法では
もはや自社商品に愛着なんて持てる訳ないですし、愛がないから簡単に値下げできるし、棄てる事も出来るマインドになる。

 

 

これらが廃棄が多い原因の一つなのかもしれません。

 

 

そしてこれらの問題に加え、近年話題となり始めているのが、

*引用元:BBC Japan News

 

もはや労働搾取は途上国のみでおこる問題ではありません。

 

責任転嫁のコメントとして多くの企業が
「下請け工場がやっていた事なので、問題の工場とは直接関係ありません。」

と言う。

自社製品がどこでだれが作っているのかも把握せず、販売している事が大きな問題であり、自社商品が作られている現場で何が起ころうが関係が無いと言うスタンスは自社製品への愛だけではなく、関わるすべての人への愛情の欠落です。

 

衣料品に関わらずつくる責任と言うのはこう言うマインド一つで大きく変わると思います。

愛のある商品は必ず責任のある使い方をして貰えると信じています。

そして何より私たち日本自身が日本いながら、労働搾取されていると言う現実を受け止めなければなりません。

 

それを世間では労働搾取と言う

 

WAcKAでのTシャツヤーン製造は日本国内の心身障害者施設や就労支援施設で行っています。

どこで?だれが?作ろうがフェアな取引を行うと言う事を理念に1点1点愛情をもって手づくりしています。

関わるすべての人が適正な賃金を得る事
WAcKAも適正な利益を得る事
そしてご使用下さる皆様にとってメリットがある事

 

安価で販売する事で地球環境を破壊するだけではなく、人を苦しめる方法を選んでまでTシャツヤーンを販売したいとは思いませんし、作る側に負担を掛けて出来上がった糸で作品を作って貰いたいとも思いません。

 

「安く仕入れて安く売る」

 

そこに痛みが伴わないなら推進するべきです。

しかし安いモノにまみれた激安天国である限り、賃金、収入、所得が増える事はありません。

よく考えてみれば日本よりも労働賃金の安い国で作られた商品に少しの利益を乗せて薄利多売で販売され、それを喜んで消費する。
つまりこれは日本よりも労働賃金の安い国の価格水準に自ら合わせに行っていると言う事。
これでは私たちの賃金、収入、所得が下がっていくのも当然です。

常に
私の買い物は、あなたの賃金
あなたの買い物は、私の賃金

と言う関係にあります。

 

日本の市場価格に合わない後進国化された価格帯には多売する必要性が出てきます。
ではその多売を担うのは誰か?

 

ほかならぬ日本に住む労働者です。
多く売る必要性=労働負荷

 

必然的に働く量に見合わない安い賃金体系を要求されます。 

 

「安物買いの銭失い」を助長する薄利多売社会の限界

 

 この負のスパイラルを変えれるのは消費行動を変えるしかありません。

 

 

 

 

関連記事

共感と環境循環の輪を繋ぎ、その思いを広げ、未来へ|WAcKA(輪っか)

共感と環境循環の輪を繋ぎ、その思いを広げ、未来へ|WAcKA(輪っか)

WAcKAでは、人と人とが手を繋ぎできる小さな輪を広げ、大きなムーブメントとして未来へ繋げていく取り組みを行っています。様々な理由で廃棄されるTシャツをTシャツヤーンとしてアップサイクルする事で繊維ゴミを削減、地球環境に貢献しサステイナブルな社会実現を目指します。iTToを使用する皆様が環境改善の担い手となります。

屋号 WAcKA
住所 〒276-0026
千葉県八千代市下市場1-4-8
電話番号 080-4294-1713
営業時間 平日10:00~17:00
代表者名 梶原 誠 (カジハラ マコト)
E-mail info@wacka.jp