それを世間では労働搾取と言う…
2020/06/27
それを世間では労働搾取と言う…
皆様
こんにちは!
新しい生活様式を如何お過ごしでしょうか?
私は引き続き、
不要不急の外出を避けながら、7月以降からワークショップなどイベントも少しづつ再開していく予定をしています。
さて気づけば、もう6月も終わり…
個人的には毎年、この時期になると思い出す出来事があります。
私が現在の活動を始めるきっかけとなるある出来事の事を…
2016年7月1日 バングラデシュ ダッカで発生した無差別テロ事件
この当時、バングラデシュ ダッカに駐在しており、事件が発生した場所はオフィスからも自宅からも近く、私たちを含め、外国人が良く行くお店で発生しました。
実は私がこの事件を知ったのは、ダッカではなく、日本でした。
元々は7月4日に帰国する予定でしが…
当時、この事件以前にも近辺で外国人が殺害される事件が発生し、テロ予告もあった為、過去約半年ほどは今で言う「不要不急の外出」を避け、外国人が集まる場所に行くことを避けるように大使館から指示が出ていました。
そしてその年の7月1日はラマダンの最終日で金曜日でもあった為、テロが発生する可能性が高いと言われていました。
*ラマダン・・・イスラム教にとっての聖なる月で、この期間中は日の出~日没までの間、一切の飲食を断つことにより、空腹や自己犠牲を経験し、飢えた人や平等への共感を育むこと
*金曜日・・・イスラム教の方々にとっては聖なる日であり、休日でもある。
その為、急遽、予定を変更し、6月30日に現地を出発する事にした為、この事件を日本で知る事になりました。
この事件をきっかけに急遽、帰任する事になり、
予定も予測もしていなかった退社→起業が加速しました。
現地で感じた思い
現地では毎日のように工場に伺い、品質の確認や納期の確認を行っていました。
私がこの地にいたのは、紛れもなく安い労働力を求める為…
そして日本で安く販売する為
ミッションはとてもシンプルでただただ安く
しかし
このシンプルな安くと言うミッションの為に支払われる代償が大きいことを知りました。
詳しくはこちらのBlogにて・・・安さの代償
汚染された川の中で遊ぶ子供達 *インド コルカタにて撮影
安く売りたい 安く買いたい 安く仕入れたい
この構造の中で、働く方々が豊かな暮らし、高い水準の教育を受ける事ができるので、あれば何も問題ありません。
しかし実態は…
それだけではなく、
汚染された土壌や河川での生活、劣悪な環境下での労働
私は現地での生活を通して、少しでもこの環境をよくしたい。
日に日にその思いが募っていましたが、行動に移す事ができませんでした。
なぜなら自分の生活を優先にしていたからです。
変えたい思い≦自分の生活
これが正直な当時の気持ちの比重です。
思いはあっても行動力はできなかった。
帰国後、感じた灯台下暗し
帰任を機に、一機に行動力が増し、思いを形にしようと行動を始めました。
日本での久しぶりの生活
「あれっ なんだか?見える景色が違う 」
そう!以前、日本で住んでいた時とは全く違う感覚がしました。
これまで何とも思わなった問題点が、思考が変わった事で見えるようになりました。
恐らく以前は
「安くし仕入れて、安く売る」 この単純なミッション以外には何も映らなかった。
そして心に止まらなかっただけで、本当は問題や課題は以前にもあったはずです。
思考が変わると見える現実が変わる。
この考えに至るまで、
日本は正直、問題や課題がない素晴らしい国だと思っていました。
しかし
少子高齢化
経済の低迷
相対的貧困の増加
教育レベルの低下
…
挙げればキリがないほど問題が山積です。
そして何より私自身が
労働搾取と言う問題は発展途上国が抱える問題だと勘違いしていた事
私たちは好んで安い商品やサービスを選んで来ました。
いや、むしろ安い商品やサービスがより多く提供されて来ました。
それらを手に取る事で私たちの生活はより豊かになったでしょうか?
もしYesなら、それはそれで良い事です。
私も以前はそう思っていました。
だからこそ大量生産し、低価格の商品を売ることを生業としてきました。
もしNOと思われる方がいらっしゃれば、ぜひこの先もお読み下さい。
私たちはいつしか、安いが当たり前になりました。
衣料品では、20年前と比べると販売価格は6掛けに低下していると言われています。
安く買える事でお得感を得れるのが、消費者心理だと思います。
しかし
何でも安く変えると言う事は、イコール自分の労働賃金、収入、所得も下がる事になると思いません。
あなたの消費は私の所得
私の消費はあなたの所得
常にこの関係性で世の中は成り立っていると思います。
つまり自分自身の所得が上がる方法の一つは消費の方法を変えると言う事です。
日本で一番、搾取されているものとは?
帰国後、色々な企業や団体の経営者や代表の方とお話する機会を頂き、新人起業家として勉強させて頂く事も多くありました。
しかし、生意気ながら一つのコミュニティーのトップとして本当にこれで良いのかと言う思考の方にお会いする事も多くありました。
それは人材に対する考え方です。
極端に言うと道具としか見ていない。
かわりはいくらでもいる。使えなければ辞めて貰えばいい。
特に非正規雇用の増加がこの考えを助長していると思います。
対価に見合わない過重労働を押し付け、業務そのものにストレスを与える労働環境は私が見て来た途上国のそれと何ら変わりません。
お仕事をされているほとんどの方は一生懸命に働いています。
苦労も努力もしています。
それでも生活は豊かになりません。
なぜならその労働に見合った充分な賃金を得られていないからです。
そして一番の問題は「やる気」を搾取されていると言う事
働く皆さんのほとんどはその環境に不満を持っています。
つまり商品やサービスを提供する企業の内部にファンがいないと言う事
社内にファンがいない商品やサービスを一体、誰が高付加価値をもって買ってくれるのか?
「うちの社員は能力が低い」 なんておっしゃる方がいらっしゃいます。
その前に「やる気」を搾取していないか?自分自身に問うて頂きたいです。
それは能力が低いのではなく、能力を引き出していない場合が多い。
すると次におっしゃるのは「やる気なんて自分次第だろ」と言う
確かに自分で高める事も必要です。
しかし労働環境による高まりはより能力を発揮できます。
残念ながら、私と同世代の方のほとんどが昭和の根性論で成長してきました。
勿論、私もその考えは嫌いじゃありません。
平成を飛び越え、もはや令和
昭和の根性論はパワーハラスメントや労働搾取の部類に属する事を自覚しなくてはいけません。
私はこの構造が生産性の低さも生み出す原因に繋がっていると考えます。
皆さんは働く環境は如何でしょうか?
・適切な賃金や所得を得れていない。
・やる気やモチベーションが保てない。
私自身は両方が伴っていなければ、業務のよいパフォーマンスを上げる事はできないと考えています。
ましてやどちらもない。となると働く意義がないと思います。
私の当初の目的は途上国での働く環境をよくしたいと言う事でした。
もちろん、その目標は今も変わりません。
しかし、その環境を変える方法は私たちの消費のあり方を変える事で変わると考えています。
そして私たちの消費を変えるには、私たち自身の働く環境を変えること
結局、
途上国での環境を変えるには、まず私たちの働く環境を変える事だと思います。
その為にはまず皆さんが搾取構造の中にいる事を自覚する必要があると思います。
「やる気」が出ない。
これほど不幸な毎日はありません。
それはもはや労働搾取以上に人生も搾取されているも等しいです。
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